『“オフィスのプロ”だけが知っているキングジム人も組織もうまくまわりだす超整理術213』は良い本だけれど、私が求めているものとは違った

“オフィスのプロ”だけが知っているキングジム人も組織もうまくまわりだす 超整理術213』がAmazonの「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」に表示されていたので、買ってみた。

書類整理術の教科書

この本はタイトルの通り、キングジムが出した整理術本である。キングジムといえば、その名の通り事務用品の王様、事務用品を取り扱う大手企業である。

その内容は、さすがキングジムと言える真面目で重厚で正当な内容で、まさにオフィス整理術の教科書といったとところだ。オフィスワーカーなら一家に一冊、一オフィスに一冊あって損はない内容だ。

Amazonのページに目次が掲載されていないので、どのような章で構成されているのか、簡単な目次を示しておこう。

  • PART 01 まずは「頭」と「心」を整える
  • PART 02 理想の机周りにする
  • PART 03 時間を生み出すアイテム術
  • PART 04 デジタルデータの整理術
  • PART 05 共有部を整える
  • PART 06 組織の意識を整える

この章だてを見ていただければわかるように、PART 01から04までは主に個人レベルの整理術について扱っているので、家庭やホームオフィスの整理、あるいは自分のデスクまわりの整理にも役立つだろう。

そして特に注目していただきたいのが「PART 06の組織の意識を変える」の章である。こうしたメタ的視点を取り込んだことがなんと言ってもすばらしい。現実として整理されない状況は整理術の不在というより不実行により起こりがちだからだ。

意図的に取り除かれたキングジムの宣伝

たまたまAmazonで目に入ったこの本を購入する至った理由は「キングジム」だからだった。私はキングジムの事務製品が好きだ。

だから、キングジム製品を使ってどのように整理するかという、実践的な製品カタログになっていることを期待した。あるいはキングジム用品のファンブックのようなものでもよかった。

しかし、本書は全然違った。先に述べたようにとても真面目で重厚な教科書だったのだ。教科書に徹するかのごとく、具体的なキングジムの製品が出てくることもない。意図的にそうつくったのだろう。

これは私の体験なのだが、ファンション関係の本やムックを読んでいて、私は理論が知りたくて買ったのにスポンサーの商品カタログにみたいになっていることがある。そういう本を買うととても残念な気分になる。

だから、キングジムがこの本で一回もキングジムの具体的な製品名や製品番号を出さなかったことはキングジムの誠意なのだとはわかっている。

でも、でも、でも、私が求めていたのはもっとキングジム製品にこんなのがあるよっていう情報、それを具体的にこうつかえばいいよってタイプの本を期待したのだ。もっとキングジムのこの商品がすげーって話が、もっともっともっと見たかった。