「ニジマスを釣る」釣り師秋元真夏と南木佳士が私に与えた人生訓

NOGIBINGO!10が放送を開始した。前編ロケ企画で、マンネリ感があったNIGIBINGO!にテコ入れをしようという強い意志を感じた。NOGIROOMがなくなったのは少し残念だったけど。でも、このまえHuluも解約したしもう見れないか。

番組中で秋元真夏がニジマスを釣っていた。私は寿司屋に行っても何ひとつどんな魚かわからないくらい魚に疎い。だから、ニジマスと聞いて最初に思い浮かんだのは魚自体ではなく、南木佳士の『落葉小僧』に収録されている「ニジマスを釣る」という短編小説だった。

『落葉小僧』はちょうど南木佳士さんが芥川賞をとった直後あたりの作品をあつめた短編集で、個人的にはかなり好きなのだが(南木佳士さんの本はほとんど好きなのだが)、一番最初に絶版になってしまった。

表題作「落葉小僧」のなかに以下のような台詞がある。主人公にむけて父が言った言葉である。

「職業の選択はその時の気分で決めたらいい。理由なんてものはあとからついてくるもんだ」(南木佳士『落葉小僧』「落葉小僧」(文春文庫))

この言葉はわたしの人生訓となった。それで人生がうまく行っているかといえば微妙だけれども、後悔はしていない。

 


南木佳士さんの主な作品

芥川賞受賞作「ダイヤモンドダスト」を含む短編集。センター試験で出題された「冬への順応」も収録。

『阿弥陀堂だより』映画化もされた長編小説。一番好きな作品。

センター試験でも出題された「冬物語」、教科書に採録された「ウサギ」「急須」、一時期南木さん自身が好きだとエッセイに書かれていた「スイッチバック」など名作揃いの短編集

うつ病寛解後の新時代の南木小説