新型シエンタのデザインを見たとき、ホンダのことを考えた

もう3か月近く前の話になるが、トヨタの新型シエンタが発表された。シエンタは小型ミニバンであり、3列シートを擁する収容力とスライドドアを持ちながら、5ナンバーサイズに収まる取り回しの良さが人気の理由だ。ライバルには、ホンダのフリードがある。

シエンタがフルモデルチェンジと聞いて、早くすぎるように感じてしまったけれど、コロナで3年近く時間が止まっているのはこのブログだけで、世間はちゃんと時間が流れているのを実感する。

この新型シエンタの発表を受けて、SNS上ではルノーのカングーに似ていると言う意見が多いのだと、BOOM-BOOM CASTさんの動画を見て知った。

一方で、私は、この新型シエンタを見たとき最初に思ったのが、ホンダのことであった。

最近、ホンダの車のデザインが良い。ようやくいかついヤンキーデザイン以外のデザイン言語を採用する日本メーカーが出てきたことが嬉しくてたまらない。ホンダのデザイナーが本当にわかっている人である(少なくとも私の好みに近いセンスである)ことは新型N-Oneを見ればわかるのだが、この話は今度にしよう。

とにかく、ステップワゴン(ホンダの中型ミニバン)と他メーカーのミニバンを見比べてもらえば、ホンダのデザインが他のメーカーと一線を画していることがわかる。

とはいえ、ホンダもこういうデザインに舵を切ったのは最近の話で、しばらく前に発売されたモデルにはまだ、いかつさが残っているものもある。シエンタのライバルにあたるフリードも、トヨタほどひどくは無いものの、まだまだそうしたデザインを志向していた名残がある。

フリードもそろそろモデルチェンジの時期であり、フリードがステップワゴンと同じ落ち着いたデザインになったらどんなに魅力的な車になるだろうと、ちょうど妄想していたところであった。

だから、新型シエンタの少しおとなしめのデザインを見たとき、やられたと思った。これじゃフリードが落ち着いたデザインで発表したとしても、そこまで差別化が図れないではないか、と。

少し前、ホンダのSUVヴェゼルが発表された際、CX-ハリアーと揶揄された。ホンダの新型フリードも、シエンタのパクリに見えるようなものになってしまう気がしてならないのである。